設備全体の生産能力は、ホットスタンプ部品が15,000個/日。

フィアット社へホットスタンプ5ライン納入

車両の軽量化と安全性の向上の手段として、ホットスタンプ部品の採用を決断するメーカーが増えています。フィアット社もそうでした。同社は4年前、イタリア、カッシーノの製造施設に、初のホットスタンプラインを導入しました。フィアット社は現在、ホットスタンプ5ラインを保有し、そのすべてがAP&Tから納入されたものです。

「当社と自動車メーカーとのプロジェクトで最大級の納入事例です。途切れることのないホットスタンプ技術開発の作業において、長年培った経験が高い真価を発揮しました。」AP&Tのグローバルセールス、サービスマネージャーPer Josefssonの感想です。

フィアット、アルファロメオ、ランチア向け部品

カッシーノの工場は、従業員4,000名、1日1,400台の生産能力を持つ、フィアット社が国内に5箇所保有する製造施設の一つです。ここでは、フィアット・ブラ―ボ、アルファ・ジュリエッタ、ランチア・デルタなどが製造されています。カッシーノの工場はホットスタンプ部品を製造する唯一の工場であるため、グループ全体の産業構造の重要な要員でもあります。

「カッシーノで生産されるホットスタンプ部品は、同地で製造される車種以外に、イタリアの他の工場で製造されるモデルにも使用されています。」カッシーノ工場のプレスラインマネージャー、Aldo Balsamo氏の説明です。

Aldo Balsamoマネージャーは、フィアット社のカッシーノ製造施設のプレスショップ責任者。

AP&Tの製造ソリューション 

AP&Tへのホットスタンプライン初回オーダーは、フィアット社が同社の信頼性とコストなどへの高い要求に応えるサプライヤー数社を、比較、評価した後、2007年に契約されました。最初のラインは、専用に建てられた20,000 m²の工業用建物に2009年に配備されました。以来、AP&Tは信頼できるパートナーとして4基の追加設備の納入を手掛けました。最終設備は2012年に完了しました。製造ソリューションには、プレス以外に自動機、加熱炉、ロボット、金型が含まれます。整備点検と保守は、AP&Tのイタリアのサービス代理店Sofir社が受け持っています。

15,000個/日

この設備の部品の総生産能力は15,000個/日で、これらは例えばAピラーやBピラー、ドアとフロアの補強材などの製造に使用されます。フィアット、アルファロメオ、ランチアの複数の車種のホットスタンプ部品は、車体の総重量(BIW)の10~15%を占め、業界の平均よりも高い比率です。

AP&Tは、フィアット社の5基のホットスタンプラインすべてを納入。

環境と安全性

フィアット社のホットスタンプ技術への投資の背景にある理由は、自動車産業全体の関心を呼んだものと同じです。ホットスタンプ部品に軽量性と強度が結合した結果、車両の軽量化が実現し、すなわち燃費とCO2排出量が低減し、同時に安全性のレベルも維持あるいは改善されました。ホットスタンプはまた、形状安定性に優れた素材を使用しています。

「カッシーノで製造されるモデルの場合、冷間成形部品をホットスタンプ部品に代えることで、車体の重量を22パーセントも軽量化することができました。ホットスタンプ部品を搭載する当社のすべてのモデルは、ユーロNCAPで5つ星を獲得しています」とAldo Balsamoマネージャーも話しています。

ホットスタンプは、車体の特定部分の補強などを目的に、異なる特性を持つ素材を統合する作業を容易にし、コストも抑えます。カッシーノ工場は、2013年末にさらに2モデルのホットスタンプ部品の製造を開始する予定です。今後はさらに搭載モデルが追加されると見られています。ホットスタンプ部品の比率が今後増加するかどうかは、素材の開発に懸かっています。

貴重な体験

フィアット社のホットスタンプ技術の経験は、これまでのところ、ほぼ好結果を生み出してきました。製造される部品は期待に沿い、品質と形状安定性も高い水準を維持しています。しかしここに至るまで、加熱炉のセラミックローラーに問題が数回発生し、また工程の間に粉塵が発生するため、換気の改善が必要になりました。

「新しい技術の導入時には、常に新たな課題が発生します。しかし全体的に、ホットスタンプによりもたらされる可能性の方に肩入れしており、改善の余地がないか模索する上で各々の体験が役に立っています。フィアット、AP&T社、Sofir社が手を携えてここまで歩むことができました」とAldo Balsamoマネージャーは述べています。

当社のPer Josefssonセールス・マーケティング本部長は「欧州最大の自動車メーカーの1社と、最初からこのように大規模な製造ソリューションを創出する作業に関われたことは、信頼が得られたと言ってよいでしょう。フィアット社との作業は非常にやりがいがあり、フィアット社とAP&Tの双方に有益でした」と語っています。

2013年6月

フィアット社のカッシーノの製造施設

  • 1972年開設。
  • 総敷地面積2,000,000m²。
  • フィアット社のイタリアの5製造施設の一つ。
  • 生産能力1,400台/日。
  • 主にフィアット・ブラーボ、ランチア・ジュリエッタ、ランチア・デルタを生産。
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