たった5分停止しても、その場では見落としがちです。しかし、統計上、この5分間の停止が1,000回も記録されています。AP&T は現在、新たな制御システムの導入を進めています。このシステムにより、機械学習を通じて、自らに最適なリズムを探し出すことができるようになります。また、これは AP&T が目指す製造業者が既存プレス機の能力をさらに引き出すことができるようにする、より大きな構想の一部でもあります。
景気が悪化すると、新しいプレスラインに大きな投資をすることに正当な理由が示しにくくなります。それでも、生産性向上が必要であることには変わりありません。これは考えるまでもありません。製造業者の多くでは、この答えは自社工場フロアにすでに潜んでいるからです。オートメーションを適切に実装する、特に、統合が適切に実装する、そういう形にすれば、ラインのパフォーマンスは相当改善可能なのです。
「その姿は実は、何度も目にしているのだ。そう。既存のラインで対応可能なことに気づかなくなっている顧客にだ。しかし、適切な オートメーション と システム統合を実現すれば、既存のプレスそをのまま活用して 生産量を倍増させることも十分に可能だ。」と、 AP&T の自動化担当プロダクトマネージャー、ヨルゲン・テアンダー(Jörgen Theander)氏 は述べています。
オートメーションは筋肉-統合は脳だ
AP&T は60年以上にわたり板金成形業界で事業を展開し、業界屈指の幅広いオートメーションソリューションのラインナップを構築してきました。同社の転写およびタンデムソリューションは、ホットスタンピングから熱交換器プレートの製造に至るまで、幅広い分野で活用されています。しかし、ヨルゲン・テアンダー(Jörgen Theander)氏は、この2つについては明確に区別しています。
「オートメーションは筋肉のようなものだとよくいわれるが、統合こそが脳だ。なぜなら、真の価値が生じるのはそこだからだ。そこで、ラインの部分がすべて可能なかぎり最適な形で統合されているか確認するのだ。」と、同氏。
このような理由により、AP&T は顧客と密接に連携していますし、連携関係が数十年にわたり続くこともしばしばです。顧客が購入を決定する場合は、その前に、常にシミュレーションやサイクルタイムの算出を行うのも、そのためです。AP&T にとって重要なのは、信頼を築くことです。つまり、顧客が得られる成果を明確に示し、その成果を確実に提供することです。また、ラインに組み込まれるプレス機がどこで製造されたものなのかは全く問題ではありません。製造業者を問わず、AP&Tはそれらを自社のオートメーションシステムと統合し、ラインシステム全体とその性能について全責任を負います。
カタログ販売には対応していない
「当社ではカタログ販売による営業スタイルは取っていない。何が課題なのかを顧客とともに確定していく。実証済みで標準化された高品質設備をベースとして、顧客が求める生産体制に合わせて最適化されたソリューションの開発を行う。」と、ヨルゲン・テアンダー(Jörgen Theander)氏。
この手法は、業界のインテグレーターの多くとは異なります。インテグレーターの多くは、製造プロセスにおける特定の課題の解決に重点を置いているため、ドキュメントの提供、サービス、および長期的なサポートの質には大きなばらつきが見られることがあります。AP&T はこの手法とは異なり、すべての準備が整った時点に限らず、広い範囲で全責任を引き受けています。
ヨルゲン・テアンダー(Jörgen Theander)氏は、新規顧客との最初のステップを「工場見学」と表現しています。
「当社では、全体像を把握、在庫量を把握して、生産の流れを確認した上で、ボトルネックを特定する。各工程の間で大量の半製品が滞留していることがあるが、これは生産工程が十分に連携していないことを示している。この手法によることで、当社は、そのような固定資本を削減し、スループットを稼働させる解決策を見出す支援が可能になる。この結果、当然ながら顧客のビジネスも活発になる。」
自ら学習する制御システム
AP&T がオートメーションに向けて導入を進めている新しい制御システムは、技術面では大きな進展です。このシステムは、より高度な機能を備えており、生産技術の能力が拡充されています。しかし何よりも、機械学習を活用することで、システムが各サイクルを検証することで、高速にすべき箇所では高速に、低速にすべき箇所では低速に動作するよう、自らのサイクルを最適化できるようになります。この結果、摩耗や稼働停止時間が削減されると同時に、信頼性が向上することになります。
「顧客側からみると、コスト削減と固定資本の圧縮が重要である。「現在の経済情勢を踏まえると、生産はよりスマートになる必要がある-速くするだけでは足りない。」と、ヨルゲン・テアンダー(Jörgen Theander)氏。
その一環として、ヨルゲン・テアンダー(Jörgen Theander)氏が「システム思考」と呼ぶ手法があり、AP&T はこの大規模なラインシステムにおける全体的な視点を、小規模なソリューションにも取り入れています。教育的手法、論理的解説、そして詳細な概要を活用することで、同社は生産ラインで何が起きているのか、また生産性を向上させるのに何を調整すべきかをオペレーターが容易に把握できるようにしています。
既存プレス機でサイクルタイムを半減
適切なオートメーションと統合がどれほどの効果をもたらすかは、スウェーデンの自動車産業向けサプライヤー PVI Esskå の事例を見れば明らかです。同社は既存の油圧プレス機をそのまま使用しつつ、AP&T にプレス機の制御システムの更新と新しいオートメーション設備の導入を依頼しました。その結果、サイクルタイムは半分に短縮され、年間生産能力は約 500時間増加しています。
AP&T の業務スタイルでは、使いやすさに重点を置き、マイクロストップ(個々には些細に見えるが、積み重なると生産時間の大きな割合を占めるような小さな中断)を最小限に抑えることが重要な役割を担っています。AP&T の設備は、他の製品に比べて購入価格が高いかもしれませんが、ヨルゲン・テアンダー(Jörgen Theander)氏は、それだけでは比較の基準としてあまりにも狭すぎるという見解を示しています。
「総所有コスト(TCO)で比較すると、当社のソリューションは綿密に設計されている上、効率的であるため、他社よりも大幅に低コストになっている。重要なのはトレードオフだ。単に最も安いものを買うのではなく、適切な機械を選び、適切なソリューションを構築することだ。」と同氏。
欧米市場での大きな可能性
AP&T は、欧州にも大きな可能性を見出していますが、とりわけ米国では、多くの製造業者が依然として手作業や半自動化された工程を採用しており、人的な手作業の引き継ぎが頻繁に行われています。そのため、可能性が特に大きいと考えています。生産規模が小さい製造業者であっても、AP&T のソリューションの恩恵を受けることができます。生産規模にかかわらず、オートメーションソリューションをコスト効率良く導入できるためです。業界別にみると、AP&T は、家電業界が製造業者の生産能力をまだ十分に発揮できていない分野であることを指摘しています。
「これは当社が掲げる『One Responsible Partner』の約束に含まれている。解決策がどのようなものになるっても、当社が顧客を放っておくことは絶対しない。当社では、自社提供のものが約束した内容をきちんと満たしているのか確認します。「これこそ何にも増して重要なことだ。」と、ヨルゲン・テアンダー(Jörgen Theander)氏。